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センター概要

学術的背景

~異分野と連携しながら新たな金の化学を切り拓き、金のナノ粒子とクラスターの世界的研究拠点へ~

研究アドバイザー 春田 正毅(首都大学東京 名誉教授)
研究アドバイザー 春田 正毅
(首都大学東京 名誉教授)

20世紀まで金にはケミストリーが乏しいとされてきたが、春田 名誉教授(当センター研究アドバイザー,前センター長)の30余年に渡る研究により、金にも豊かな触媒作用が存在することが明らかになった。そこで触媒作用以外にも視点を広げ、金の新しい化学を切り拓くという目的で設立されたのが、本研究センターです。

特に、触媒作用に加え医療診断や治療への応用が期待される金ナノ粒子と金クラスターに焦点を当て、喫緊の課題であるグリーンケミストリー研究の進化・深化を目指しています。主な研究テーマとしては、①金クラスターの立体構造解析と表面化学特性、②資源・エネルギーを無駄に使わず余計な副産物を作らないシンプルケミストリー、③人工触媒である金ナノ粒子触媒と生体触媒である酵素との相乗作用、④金クラスターの薬理作用と副作用のない医薬の合成への展開、を挙げています。

2014年3月本研究センターの2階立て建屋(総床面積約1,000m2)が完成し、同年5月に開催した「金の国際ワークショップ」には世界中から金の化学を研究する第一人者が集いました。金の化学の研究拠点として、広く世界に周知すると同時に金の化学の全体像を描き世界の先導役として働きかけを行っています。

先進的研究とその発展性

金の化学に焦点を当てた研究センターは世界的に見ても類がなく、特に本研究センターが世界に先駆けて行う、金とバイオテクノロジーとの組み合わせによる新機能の創出を目指す試みはユニークであり独創性が高いと考えられます。

金ナノ粒子の触媒作用を発見し、さらに金クラスター(粒子直径2nm以下、原子数200個以内)による新たな金の化学を目指す春田 名誉教授の学術論文は、世界的な学術文献データベースの被引用数が全科学分野のトップ0.1%、化学分野全体の上位0.05%というずば抜けた記録を誇り、2012年にはノーベル賞受賞者を多数輩出している「トムソン・ロイター引用栄誉賞」に選出されました。

また、国内外の異分野の研究者や研究機関との連携を推し進めることで、より幅広いフィールドでの展開を可能にするためのフォーメーションを構築しています。イギリスのカーディフ触媒研究所(カーディフ大学)、中国の大連化学物理研究所、フランス国立保健医学研究機構(INSERM)等の研究者と協力体制を築き、互いに最先端研究分野で競いながらも協力し合う密接な連携体制を構築し先駆的な研究を推し進めています。

新たなチャレンジとその未来像

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金のナノテクノロジーと医学、生命科学、生物学などを融合させた高度医療技術やナノメディシンの研究開発を本研究センターの一つの核にしたいと考えています。特に金による副作用のない抗がん剤の開発を一つの目標に掲げ、金の人体への影響についての研究をフランス国立健康医学研究機構等と共同して進めています。

また、本研究センターと連携する形で首都大発ベンチャー企業「ハルタゴールド株式会社」を設立し、金ナノ触媒の研究用サンプルを提供する事業を開始しています。金ナノ粒子の直径や触媒特性などを確認した高品質な金ナノ粒子触媒を製造し、インターネットを通して受発注するシステムを構築しており、すでに数多くの大学・研究機関・企業に販売しています。

本研究センターは、他の国際的な研究機関や大学発ベンチャー企業と連携しその研究成果を社会へ還元する体制を構築すると同時に、金の化学において、より創造的で先進的な研究拠点としての国際的な地位を確固たるものとし、「金の化学」という新しい分野の開拓を果たしたいと考えています。