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研究

研究概要

「金の科学と環境の化学」をテーマとして、新しい時代が必要とする物質・材料を作って行くことを目標にしています。バルク(塊)の金は化学的に不活性ですが、直径が2-5nmの非常に小さなナノ粒子になると、-70℃のような低温(南極)でも一酸化炭素(CO)を酸化できるようになります。この金ナノ粒子の低温触媒活性を利用して、都市空間(特に地下やビル内)の空気を加熱エネルギーを使わずに浄化することや日常生活で用いる化成品を環境を汚さずに合成するルートを開拓することを目指しています。次に、さらに微小な金クラスター(直径2nm以下、原子数200個以内)を寸法(原子数)と立体構造を自在に制御して作る方法を探索し、新しい物質科学の最前線を開拓して行きます。粒子径2nmは金(のみならず他の貴金属でも)の特性が金属から非金属へと急変する臨界点であり、それより小さなクラスターの領域は全く新しい構造や物性が現れる魔法の宝庫です。

研究内容

1)金ナノ粒子触媒による空気浄化とシンプルケミストリーの開拓

卑金属酸化物多孔体に金ナノ粒子を分散・固定化したものをアルミナ繊維織物に担持して、それらが触媒として CO, HCHO などの空気中の有害成分を室温で酸化・無害化できるかを調べる。また、酸素プラズマとの組み合わせによる触媒寿命の改善を行なう。

2)金クラスター触媒による高難度反応への挑戦

チタンイオンを孤立分散させた酸化ケイ素のメソ多孔体に金ナノ粒子を分散・固定化した触媒により、プロピレンと酸素との反応で選択的にプロピレンオキサイドに変換される機構を、速度論的及び分光学的実験を通して明らかにする。

3)金ナノクラスターの立体構造と物性の科学

ゼオライトや有機金属錯体の持つナノ空間の形や壁との相互作用を利用して, ある特定の原子数から成る金クラスターを立体構造も制御して作ることを試みる。これらの金クラスターの化学特性(特に過酸化水素合成、液相選択酸化の触媒として)、表面プラズモン吸収などの光学特性、磁性、DNAなどの生体分子との親和性など、異分野融合を目指して新しい物性の探索・開拓を行う。

金クラスターの電子構造     正二十面体の構造

4)NOx(窒素酸化物)のアンモニアを用いた選択触媒還元(NH3-SCR)

過去のプレスリリースおよび研究紹介サイトをご覧ください.

村山徹特任教授(金の化学研究センター)の研究グループと中国電力株式会社の共同研究の成果が、日本経済新聞で紹介されました外部リンク

EurekAlert!による紹介(2019年)(外部サイト)外部リンク

EurekAlert!による紹介(2020年)(外部サイト)外部リンク

【研究発表】次世代NOx処理システムを開発 ~大気汚染問題に新たな道筋~(2021年1月26日)外部リンク

5)アンモニアを用いた選択触媒酸化(NH3-SCO)

過去の研究紹介サイトをご覧ください.

EurekAlert!による紹介(2019年)(外部サイト)*動画もあります外部リンク

6)その他

他にも色々やっています.